2009年6月15日(月) 一般質問

20090615

 

1.市民の命を守るための医療体制について

(1)将来の姫路市の医療体制について
(2)若手研修医の確保について
ア 救急医療体制の整備について
イ 病院・医院の施設連携について
ウ 奨学金制度について
エ 医療秘書の導入助成について
(3)「人の一生と医療のかかわり」についての小冊子作成について

2.姫路市の公共交通体制の整備について

(1)菓子博と本年の花見シーズンとの交通渋滞比較について
(2)総合交通計画について
(3)地域公共交通会議の設置について
「食」をキーワードにした観光行政について

3.外郭団体としての社会福祉協議会について

(1)社会福祉事業団の役割について
(2)社会福祉事業団の定款改正の趣旨について

かの有名な松下幸之助氏は、改革は、小さな目標を掲げたら、モノを節約・合理化させることだけで終わってしまう。意識改革や機構改革などの大きな改革は、大きな目標でしか達しえないものである。大胆な目標を掲げ、その目標達成のために時間をかけ、誠心誠意取り組まなければならない。と言われました。
姫路の自然、人、歴史・文化を愛し、いつまでも守り続けたいと思えるような「ふるさと・ひめじ」を未来の子どもたちに継承していくためにも今、まさに大胆な発想の下、根本的な問題解決に向け、市長を先頭に庁内一丸となって取り組んで頂きたいと思います。
その期待を込め、以下通告に基づきまして、質問をさせて頂きます。

 

 

1.市民の命を守るための医療体制について

(1)将来の姫路市の医療体制について

2007年末に66歳男性が救急搬送されましたが、市内のどの病院も受入れが出来ず、お亡くなりになった出来事が発生をしました。
これにより、多くの市民にとって姫路の救急医療が危機的な状況に陥っていることをはじめて感じ取られたと思います。
その後、救急医療のあり方検討会が実施されたり、2007年9月の本会議で私が提案させていただきました、地域に出向いて医療の現状を伝えるという試みである「みんなで考える救急医療 地域フォーラム」が医師会、特に地域医療委員会の先生方の大変大きなご尽力の下、実施されたりと、関係者の地道な行動の成果もあって市民の意識も変わりはじめました。
事実、年間救急搬送人数が約1,000件減少しており、受入れ照会で5病院以上に断られるケースも約80件減少しております。
しかしながら、これらは改革の序章に過ぎないのではないかと考えます。
救急搬送の人数は減少しても依然として圧倒的に軽傷者が多い実情があり、救急車が素早く現場到着しても、現場を出るまでの時間はなかなか短縮されておりません。
しかも、受け入れ先照会で5件以上断わられるケースは昨年度でも400件以上あったわけです。
本来であれば、昨年度行われた姫路の救急医療のあり方検討会で考えられるべきだったと思いますが、根本的対処として姫路の医療の理想的なデザインを作り、その上で個別的な取り組みを行わなければなりません。
本年度も救急医療連絡会議として予算化されておりますが、その中でしっかりと検討を行う必要があります。
今まさに、政治主導での医療行政のあり方について、具体的な行動が求められております。
冒頭に松下幸之助氏の言葉を引用しましたが、大きな変革が必要な危機的な状況では、小手先の対応では決して問題は解決致しません。大きな目標を掲げる必要があります。
ある医師はこう言われます。
医療は地場産業であり、特に救急医療はその色合いが強いと思われます。病院に補助金を出しても、そこで働く方の雇用を確保し、所得を保障することで、モノを消費し、住民税として戻ってきます。
姫路でも一つの病院で大きければ700名?1,000名の雇用がなされています。
地域医療を地場産業ととらえ、病院への補助などは産業支援の一部として経済対策の視点も持って対応すべきだと。
また、医師によっては病院のM&Aなどを進め600床から1,000床規模の病院を作るべきであるとも言われます。
これらは、課題も多いでしょうが、具体的な行動が想像出来ます。
今後、姫路市としてどのような絵を描いていくのか、当局の具体的な見解をお聞かせ頂きたいと思います。
さて、そんな中、本年度の予算として、後送委託経費の充実や救急医療電話相談窓口の設置費用などが計上され、救急医療体制の充実に向け一歩前進していることは大変重要な決断がなされたと考えております。
しかし、救急医療のあり方検討会の内容を見てみますと、具体性の非常に乏しい部分も多く、姫路の救急医療体制が抱える問題と課題を考えた際、もっと出来ることがあるのではないか、姫路市としてもっとやるべきことがあるのではないかと考えます。
従来までに提案をさせて頂いております、地域救命救急センターの設置、電話相談窓口の設置、2次救急・3次救急などの急性期と回復期・慢性期の医療の役割分担、24時間保育や病児保育の可能な院内保育の整備などは、引き続き検討を重ねて頂きたいと思いますが、同じように多くの時間をかけて医療従事者の確保の方法について検討しなければならなかったのではないでしょうか?
旧姫路市であっても医師不足で大変な中、合併後は、離島もあれば、人口密度の低いエリアに至るまで、万全の救急医療体制を敷いていかなければならないわけです。
しかし、救急医療のあり方検討会において医療従事者の確保については、【現状と課題】新しい医師臨床研修制度等の影響により、大学病院の医師の派遣が得にくい状況となっており、救急医療体制の確保にも困難を来たしている。また、女性医師や看護師については、出産を機に離職することが多く、今後の医師確保等を考える上で女性医療従事者が働きやすい環境をつくることが重要である。【推進方策】ドクターバンク等の医師確保策の積極的な活用を図るとともに、市内の医療機関における臨床研修医の定着化に向けた支援や、女性医療従事者の就労支援等について検討する。
と記されているだけで、何を具体的に行っていくのか、これだけでは、はっきりと分かりません。ドクターバンクの活用も既に行っており、活用していても効果が出ていないというのが現状ではないでしょうか?
しかも、従事者確保といっても、経験者なのか研修医なのか看護師なのか、目的によって明らかに対応の仕方が変わってくるのではないでしょうか?

 

(2)若手研修医の確保について

特に研修医などの若手は、新臨床研修医制度の影響で大学病院から医師等の派遣が得にくくなっているという単純な問題ではなく、そもそも救命救急を取り組む病院が姫路から減ったことや全ての診療科が揃う病院が無くなったことにあると、姫路医療センターや姫路赤十字病院の先生方と姫路の医療と介護を考える地域リーダーの会という市民団体の一員として現場に伺ったときにお話しをお聞きしました。
さらには、人手不足も手伝い今の研修医の業務は患者さんを診るよりも書類の対応が中心であるなど医師免許がなくても可能な一般的な雑務に追われることも敬遠されている要因でもあります。
新日鐵広畑病院の橘医師は、姫路市では外科の高齢化が深刻であると言われます。
このままでは数年のうちに、救急だけではなく癌治療を行う外科医もいなくなるそうです。また、外科医のみならず内科医もいなくなってしまうと言われています。その時に、誰が手術をして命を守るのか?外科医のいる他の自治体に姫路市の患者さんを押しつけるのか?
事態は緊急を要しています。治療方法や手術手技などの伝承も含め、研修医の確保や若手医師の確保は早急なる対応が必要なのです。
では、どうすれば若手医療従事者を確保することが出来るのでしょうか?

 

ア 救急医療体制の整備について
まずは、救急体制の整備を整えることが重要です。
例えば、減少著しい産科の救急医療の現状についてです。
姫路の産婦人科施設は30か所です。その内分娩が可能な施設は13か所にまで減少しています。全国的な産科医の不足と同様に、姫路でも分娩施設が年々減少しています。
さらに産婦人科救急輪番は、休日昼間だけであり、発生頻度は少ないとはいえ、一度発生すると生命に関わることが多い領域にもかかわらず、1年365日対応できる救急体制は作られていません。何時、奈良や東京と同じことが発生しないといえません。
そんな状況下で、当直を行うだけではなく、医療従事者たちは緊急手術の呼び出しに対応するために週に数回自宅待機などを余儀なくされ、当直勤務に追加して大変大きな負担を強いられております。これが医師の減少の一因とされていることは、よくご承知のはずです。
今年度より後送委託経費が増額されましたが、まだまだ現在の当直医の人件費すら賄えない状況にあります。
後送委託経費、所謂空きベッド代に追加し、分娩手当の整備や複数の医師が必須なために緊急手術の呼び出しに備える「オンコール」に対する待機料などの整備も早急に考えなければならないと思います。
これは、産婦人科だけのことではなく、他の診療科でも同じであります。
さらには、その助成は、施設に対するものではなく、医師個人に手当てが出来る対応も合わせて検討する必要があると思いますが、当局のご所見をお聞かせ下さい。

 

イ 病院・医院の施設連携について
また、現在の姫路市では、各産婦人科施設の連携が上手くはかられておらず、分娩数などの実態把握が出来ておりません。
姫路市の出生数は分かっても、施設毎やハイリスクの分娩数の把握が出来ていないのです。
姫路で産めなかった人の数は何人なのか?何故、姫路で産めなかったのか?
このようなケースが、増えているのか減っているのか?
他の市の方が姫路で産んでいらっしゃるケースはどれくらいあるのか?
帝王切開などの手術件数は?こういった情報を把握することが出来なければ、姫路の産科における問題点はなんなのかを導きだすことが出来ません。
これは現場の医師の方々の善意のみでかろうじて維持されているということを如実に物語っているのではないでしょうか?
姫路市として実態把握を行った上で、産婦人科施設・医師の連携に対し積極的に取り組んでいくべきであり、これも産婦人科だけではなくどの施設間・診療科間であっても同じ事です。
これらが進められて初めて、各施設間の役割分担が明確化出来、救急時の受入れ体制を整えることが出来ると思いますが、当局のご所見をお聞かせください。
現在姫路では、市民病院がないため、その分を民間病院が担って下さり、夜を徹して救急医療に力を注いでていただいております。
しかし、姫路の医師は間違いなく減少しており、姫路の救急は日々弱体化しております。
だからこそ、行政の支援が必要なのではないでしょうか?

 

ウ 奨学金制度について
次に、姫路を選択してもうための仕組み作りです。
本年度の姫路の研修医は6名でした。これは3年前の約4分の1という状況です。来年度は、さらに減少することが予想されており、このままいけば、2、3年後には研修医がゼロになる可能性だってあります。
姫路は、医学生から魅力的な地域とは思ってもらえておらず、特定診療科を除いてすでに選んでもらえない状況になりつつあるのです。
また、このような状況は医師だけではなく、看護師についても同様です。姫路の各病院が看護師を募集しても、新卒看護師の志願数はどこも年々減少しており、病院関係者は由々しき事態と考えておられます。
ここで、参考となるのが明石市や長崎県に見られる医学生に対する就学資金貸与制度です。
双方の生まれた性格は多少違いますが、内容や目的は概ね一致をしています。
明石市の明石市立市民病院では産婦人科の常任医師の退職にあたり後任が確保できず、分娩入院を休止する事態になったことから、今後さらに、他の診療科においても医師の確保が問題になると考え、2008年4月から明石市立市民病院医師修学等資金貸与制度をスタートさせました。
この制度は医学生や研修医に奨学金を貸与し、医師を養成し、自治体の医師不足を解消することを目的として創設されました。
将来的に医師となった場合に、明石市立市民病院において奨学金を貸与された期間、医師として勤務してもらうことが義務付けられており、その期間、医師として従事すれば奨学金の返済は必要ありません。
医学生の1年から4年は月15万円。5・6年生は20万円。臨床研修医・専門研修医は月20万円。但し、産科の専門研修医は月50万円です。
2008年度は2,400万円を予算化し計12名の学生が奨学金を受けており、2009年度には3,420万円を予算化し16名の支援をされております。将来的にこれらの方々が市民病院で勤務をしていただけることになるわけです。
また、規模の違いは別にして、姫路市と同じく離島を持つ長崎県では何年も前から医師確保の対策が取られています。
長崎県は、国内有数の離島県であり、大小600の島があり、そのなかで離島振興法指定の有人島が54。そこには人口の10%にあたる15万人が住まわれています。
このような状況下においては、離島医療というものは医療政策上最重要課題であり、約40年前から医師確保に取り組んでこられました。
修学資金を貸与し、その1.5?2倍に当たる期間を離島医療に従事する制度を確立し、これまでに200名以上の離島従事医師を養成しています。
このように対応次第では、医師を確保することは可能です。
さらには、熊本県山鹿市(やまがし)でも、本6月議会に同趣旨の政策が行政から提案されております。
この取り組みで、3年前に10名だった研修医が半分以下となっていた明石市では、来年度には3分の2以上の7名まで回復予定にあります。
しかも、内5名は明石市立市民病院での研修予定で、行政の取り組みがいかに大きな影響を及ぼすかお分かり頂けると思います。
翻って姫路で考えれば、奨学金貸与だけではなく、市民税等の税制面の優遇措置なども具体的に検討をしていく必要があると思います。中核市で病院数も多くありながら、研修医の現状の人数が明石市と同数という現状にあるからです。
今の現状を何とか変えていくためにも、市民の命を本当に守っていくためにも、是非とも前向きなご答弁をお願いしたいと思います。
また、姫路市には市立病院がないため、明石市とは状況が違うことは認識しておりますが、急性期の患者さんを受け入れて下さる病院の中で、どこに医師が必要なのか連絡協議会などを設立し、検討する場を設けてはいかがでしょうか?
姫路市の公費で育てた医師・看護師に姫路市で活躍していただける環境整備を真剣に考える必要があるのではないでしょうか?
当局の積極的なご所見をお聞かせ下さい。

 

エ 医療秘書の導入助成について
さらに検討すべきは、医療秘書の導入助成です。
患者さんの搬送や書類の記入など医師免許を持っていなくても出来るような一般的な雑務が多く、日本の研修医は、アメリカに比べ医療に携わる時間が短いと言われています、 それは、研修医だけではなく医師にとっても同じことです。
姫路では、他の自治体で勤務・学ぶより書類の対応が少なく、患者さんをじっくり診ることが出来る環境が整っているという他との差別化を行うことにより姫路の優先順位を上げていただく取り組みが必要ではないでしょうか?
当局のご意見をお聞かせ下さい。

 

 

(3)「人の一生と医療のかかわり」についての小冊子作成について

次に、医療崩壊を防ぐ手立てとして、医師会が毎年救急フォーラムを実施されております。また、昨年は医師会と行政の主導による「みんなで考える救急医療 地域フォーラム」が行われました。今後も引き続きこのような動きは行っていただかなければならないでしょう。
そこで、「人の一生と医療のかかわり」というテーマで、小冊子を作成し、各小中学校さらには高校の保健の授業などで医療の大切さ、使い方。人と人との助け合い、少子化の問題点など、周産期医療の現状も含め地域の医師に協力をして頂き、勉強をする機会を作っていってはいかがでしょうか?
医師・教育委員会を含む行政・市民で小冊子を作る研究会の立ち上げやそのための予算化などの検討も行う必要があると思いますが、当局のご意見をお聞かせ下さい。
児童・学生だけではなくPTAや保護者の方々にも聞いていただく機会も合わせて作っていただくことにより、市民誰もが医療の大切さを理解していただけるのではないかと思います。私たちが、生まれてから死を迎えるまでの間には、必ず医療というものがついてまわります。
だからこそ、人の一生と医療のかかわりを学ぶことは大切であると考えます。
当局の積極的なご所見をお聞かせください。

 

2.姫路市の公共交通体制の整備について

(1)菓子博と本年の花見シーズンとの交通渋滞比較について

昨年の春4月18日より5月11日までの24日間で92万人もの方々が来場くださり、大成功を収めた菓子博期間中には、徹底した渋滞緩和対策を実行し、見事に大渋滞を発生させることなくイベント終了を迎えることが出来ました。これは、公共交通を考える上で非常に大きな布石になったと考えています。イベントは、イベントそのものの取り組みだけではなく、新しいことを実験的に行う非常に重要な機会だと考えられますが、その中で、見事に懸念された交通渋滞を一掃されました。
中心部より少し離れた周辺駐車場に車を止め、公共交通を利用するパークアンドライドの実験に姫路市は成功したと考えております。
行政が積極的に動けば、これだけの成果を出すことが出来るのです。市民の方々、また国民の方々は協力をして下さったわけです。行政のリーダーシップの力強さを感じました。
しかし、今年のお花見シーズンはどうだったのでしょうか?
昨年の様な対策はとられたのでしょか?
残念なことに、お城周辺は渋滞を引き起こし、横断歩道にも車が停車してしまう現状がありました。車間距離も短く、自転車や若者がその隅間を狙って押し寄せてくるため、ご年配の方やベビーカーを押される女性などは横断歩道に入ることが出来ず、結果何度か信号が変わるのを待たなければ横断歩道を通過することすらできない状態がありました。
何故、昨年成功を収めたせっかくの経験を今年に活かそうとされなかったのか?
昨年は、例年の花見の時よりも渋滞がなくて良かったね。と絶賛されていたにも関わらず、どうして対策を取られていなかったのかをお聞かせください。

 

(2)総合交通計画について

また、昨年の8月に公共交通を中心とした姫路市総合交通計画基本計画編が策定され、本年4月には実施計画編が策定をされました。その中で計画中の書写のパークアンドライドの仕組みについてしるされております。実現できれば非常に素晴らしい仕組みではありますが、コスト削減・効率化が先立ち、お客様の利便性の向上といった視点が抜け落ちてはいないでしょうか?
姫路の民間バス事業者が取られたアンケートでは、昼間は特に、時間がかかっても直通で姫路駅まで乗れる路線が望ましいという答えが返ってきているそうです。
また、外環状線のバス路線も、本当にその路線に対して需要が存在しているのか?
事業の裏付けや目的がはっきりしていない感が拭えません。
計画の中に利用者の心が見えにくい感じがします。
衣食住に、交通の交を加えた衣食住交への取り組みは、憲法が守る健康で文化的な最低限度の生活を営む権利である生存権に対する取り組みだと思います。
総合交通計画に対する考え方について、当局のご所見をお聞かせください。

 

(3)地域公共交通会議の設置について

また、そもそも、これら交通計画自身が、本来地域公共交通会議などの協議会を通して作成されるべきではなかったのでしょうか?
私は昨年から1年以上かけて地域公共交通会議の早期設置を求めてきましたが、いつになれば、実現出来るのかをお示し頂きたいと思います。
さらに、一人当たりの年間平均公共交通利用回数を2007年度現在100回のものを2020年度においては120回とする目標を置かれております。
一方で自動車から公共交通への利用転換によるCO2削減量は2007年度排出量から2020年には年間1万トンとする目標が謳われております。
しかし、この数字の算出根拠は何でしょうか?
実施計画編脚注には、2007年度に比べ増加した公共交通利用者(目標値)が全て自動車から転換したと仮定し、利用転換した移動の平均距離を片道10kmとして算出とありますが、そもそも、データの提示が2005年や2006年のものを使用しており、2007年のデータ提示がありません。データ提示なく、2020年の目標値を設定するというのは、あまりにもあいまいであると考えますがいかがでしょうか?
また、せっかくこのような目標を掲げられておりますが、1990年時の運輸部門におけるCO2排出量は88万トンあり、従来目標の6%削減を目指すとしても2.6万トンの減少を考えなければならないはずですが、農政環境局との連携の下、検討されているのかでしょうか?
きちんとした姫路の計画は各部局との連携があって始めて目標としての意味を持つのではないでしょうか?
また、都心の循環バスにおいても、中心市街地活性化協議会でも検討されており、公共交通が別の場所で別々に検討されている姿が散見されております。
他部署との連携をどのようにおこなっていらっしゃるのか?ご所見をお聞かせください。
さらには、公営バス事業の民間移譲が行われておりますが、すでに移譲している民間バス事業者はIC化をすすめております。
現在、福祉パスは一定期間のサンプルで調査されておりますが、合理化の観点からも福祉パスのIC化を進め、本当に必要な経費についての助成に変えていくべきではないでしょうか?
ご所見をお聞かせください。
公共交通の役割は、今後ますます拡大していくことでしょう。
今,世界で「DO YOU KYOTO?」は「環境にいいことしていますか?」という意味で使われています。京都市では,京都議定書が発効した2月16日にちなんで,毎月16日を「DO YOU KYOTO?デー」(環境にいいことをする日)とされております。
姫路でも、兵庫県が音頭をとって進めている毎月最終金曜日はマイバス・マイ電車の日として市役所職員に対しノーマイカーデーとして公共交通の利用促進により、CO2排出量の削減に向け動きだされました。
また、障がいを持たれている方や高齢の方にとって、公共交通は移動手段として生活の中で切ってもきれないものとなっております。
公共交通を考えることは、市民の生活を守ることであり、移動の自由を守ることは、市民の人権そのものを守ることであると考えます。
現在、北駅前広場など駅周辺開発や姫路城周辺の整備開発の検討も行われております。
特に駅周辺のロータリー整備やJRと山陽電車との動線確保などがこれから本格的に検討されるわけです。全国の政令市や中核市だけではなく小さな自治体でも、本格的な公共交通整備の検討がなされています。
姫路市も中核市としてどのような公共交通体系を作りだすのか、公共交通を活用してどのような街づくりを行っていくのか、今まさに具体的に動き出す時期に来ているはずです。 一日も早い地域公共交通会議の設置を希求しております。
当局の積極的なご答弁を期待いたします。

 

 

3.「食」をキーワードにした観光行政について

姫路のご当地グルメはなにか?と尋ねましたら、姫路市民は、なんとお答えられるでしょうか?近年ではおそらく、ほとんどの方が「姫路おでん」と答えられると思います。また、県内外の方からも、姫路の名物の「姫路おでん」を一度食べたいという声もよく聞きます。
しかし、少し過去を振り返ってみますと、数年前までは、そのような名物名はなかったのです。
姫路の食を観光資源にと、過去にも様々な取り組みがありました。しかし、1企業の名物はあっても、業界としての名物はなかなか構築されてきていなかったと思います。
その壁を越えて、姫路のご当地グルメとして定着しかけているのが「姫路おでん」ではないでしょうか?
調べてみますと、その取り組みは、姫路おでん普及委員会という組織が2年前に発足し、普及定着活動をしています。そして、現在、2008年1月より井戸兵庫県知事が姫路おでん普及委員会の名誉会長に、石見市長は名誉委員長に就任をされております。
そして、姫路食文化協会やコムサロン21などの積極的な活動により、播磨を中心に姫路おでんも全国的に認知されるようになりました。
そして、2008年にはB級ご当地グルメの祭典である「B-1グランプリ」にも出場され、姫路の観光PRや姫路ブランド構築のために活動をなされております。
このような努力の結果、現在は姫路といえば「おでん」というのが、全国的にも徐々に浸透しつつあるのです。
そして、今、姫路食文化協会がこのB-1グランプリの誘致を積極的に進めていらっしゃると聞いています。
第1回目は、2006年の青森県八戸市。第2回目は、静岡県富士宮市。第3回目は、福岡県久留米市。そして本年第4回目は、秋田県横手市で9月に開催予定であり、来年度2010年には、神奈川県厚木市での開催までが決定しています。
東北・東海・九州・関東と開催され、次は関西に。次は、姫路にと取り組まれているのです。
現在のところ、このB-1グランプリに出場する関西圏の食は、高砂の「にくてん」と姫路の「おでん」のみです。
観光のキーワードとして、「食」が重要な要素になっていることは周知の事実であり、現にお菓子の博覧会である菓子博が、あれだけの盛況を博したのは、まさに食に対する人間の欲求そのものであったのではないでしょうか?
姫路市では、来年より姫路城の天守閣の大改修がスタート致します。
そのための観光客の大幅な減少が危惧されています。
そこで、「食」をテーマにした集客効果のある全国規模のイベントを大改修期間中に誘致させ、播磨の食材や食の名物を提供したい。そしてそれだけではなく、全国のご当地グルメを集めることによって、姫路のPRにもなるでしょうし、全国からの観光客の入込が期待でき、姫路の新たな楽しみを感じて頂くきっかけになるのではないでしょうか?
ミシュランガイドで三ツ星を得、外国、特に最近はヨーロッパからの観光客が増加しているとも聞いております。
先日の4月14日には、1964年の昭和の大修理を終えてからの45年間ののべ有料登閣者数が4000万人を突破しました。
欲を言うならばもう数年早くに評価を頂けたなら良かったと思いますが、このまま進めば観光客の減少止められないでしょう。
その間の底上げ効果として、是非「食」をテーマに観光戦略を立てて頂きたいと思いますが、当局のご所見をお聞かせいただきたいと思います。
また、これに関連し、さらなる食のご当地グルメの定着や地産地消の観点から、現在姫路おでん協同組合では、おでん横丁なるものを作ろうとされています。
まだ、どこに作るのか計画段階ではありますが、セカンドライフの一環として、退職された方々にお店を持っていただき、姫路の方へのおもてなし、そして姫路に来られた方へのおもてなしを「食」を通じて行える場所を作ろうと取り組まれております。
来年度以降本格的に、姫路城大天守の改修工事がスタートします。
市民も、必死になって観光客数の減少を最小限にしようと行動を起こしています。
お城だけに頼った姫路ではなく、新たな姫路の魅力を創出しようと努力をされています。
そういった行動がある中で、姫路市として行政として今後の観光への取り組みをどのように戦略を立てているのか、ご所見をお聞かせ頂きたいと思います。
さらに、これら姫路市を思う民間の積極的な攻めの取り組みに対し、どれだけの支援が可能か?どのような支援体制をお考えか?ご所見を合わせてお聞かせください。

 

 

4.外郭団体としての社会福祉協議会について

(1)社会福祉事業団の役割について

社会福祉法人姫路市社会福祉事業団定款が、本年3月30日に行われた事業団理事会において指定管理者の指定による管理という表現が、「施設の経営」となっております。
また、経営の原則という条項が加わり、「この法人は、社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効率的かつ適正に行うため、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サービスの質の向上並びに事業経営の透明性の確保を図り、もって地域福祉の推進に努めるものとする。」とあります。
これらから推測すると、今後、社会福祉事業団は民間法人となり、姫路市の福祉の中心的な役割を持つ任務が解かれていくのではないかという感覚を持ってしまうのですが、当局のお考えはいかがでしょうか?
確かに、公的施設には設置から年数が経過するに従い、必要性、効率性等が設置当時とは大きく変化しているものも少なくありません。
指定管理者制度等、新たな制度が創設される中で、費用対効果や運営主体などを統一的に検証する必要がある。」とされ、「施設の廃止・縮小」についても検討も必要であります。そんな中で、児童センターや障害児者施設・養護老人ホームなどの姫路市社会福祉施設の設置目的や必要性についてどのように考えていらっしゃるか?今後、これら施設の廃止や縮小もありうるのでしょうか?施設種別ごとにその見通しをお聞かせください。
また、姫路市社会福祉施設の管理・運営にあたる者には、社会福祉に関わる高度の専門性を有することが必要とされ、各施設の法令で定めた設置目的以上の目的、すなわち施設運営を通じた姫路市全体の福祉水準の向上という目的が期待されてきました。

 

(2)社会福祉事業団の定款改正の趣旨について

そして、姫路市福祉行政と一体となってこの目的を達成するための専門職組織として、姫路市が全額出資し、社会福祉事業団が設立されました。設立以来30年余り、姫路市は委託費という形で公金を投入することにより、目的の達成や高度専門性の確保を図ってきており、その意味でも社会福祉事業団の有するノウハウや専門性は単純に「行政の補完的役割」などではなく、まさに姫路市民の財産そのものであると考えられます。
全国に先駆け障がい児者の生活相談体制を確立し、職業自立センターの設立、日本触媒などの特例子会社の設立、移動児童センターの取り組みやふれあいの郷養護老人ホームでの高齢者介護教室など姫路の日本の福祉政策の先駆けとして様々なチャレンジを進めて来られました。
これまで、施設運営を担ってきた社会福祉事業団に対する今後の姫路市としての方針をお聞かせ下さい。
これからも、姫路の福祉の先頭に立って、種々の提案や政策実現に向け、活動をして頂かなければならないと思います。
姫路市社会福祉事業団の設立の原点に立ち返り、もう一度姫路の福祉政策をどのように実現していくのか考えていく必要があると思いますが、当局のご所見をお聞かせいただきたいと思います。