2013年9月9日
本市の水道事業についてであります。
パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、水道哲学という思想をもって企業運営をされました。
価値あるものが低価格で無尽蔵に供給され、人生に幸福をもたらす。そのことによって、この世に極楽楽土を建設する事が出来るのである。という考え方です。
ここで例えられているように、水は、まさに価値あるもので、生きる上で決して欠かすことが出来ないものであり、この水によって、私たちは生かされ、幸せを作り出す事ができ、その努力をすることができるわけです。
だからこそ、本市においても安定的な水道事業の推進は、現在の姫路市民はもとより、未来の市民に対しての責任でもあります。
しかし、この水道事業は今、大きな危機を迎えるとともに、大きな分岐点に立たされています。
平成24年度の決算報告でもあるように、昨年度水道事業は単年度赤字に転落致しました。平成22年以来2年ぶりのことですが、この年は県水の受水問題のあった年であり特殊事情でもあります。
現状として、市民の節水意識の向上とともに、節水家電の普及により総配水量は年々減少をする中、料金収入そのものが減少しております。
無駄を廃する行動は、日本人の美意識の一つであり、喜ばしいことでありますので、この傾向はこれからもより強く表面化することと思います。
そんな中、経営計画の中では、元々平成24年度は赤字転落することが予測されておりましたが、本年度以降は黒字化の計画になっており、平成30年には再び赤字化するとなっておりますが、これは本当に実態を表した数字なのでしょうか。
その内容をみると、料金収益は減少し続け、経費などは横ばい状態。それでも黒字化していくということは、人件費を下げること以外にありません。実際、計画書では人件費のみが下がり続ける計画になっています。
水道管理における熟練技術者の大量定年が進む中、若手の採用を抑えていることは、技術の継承に大きな影響を与えます。誰でも簡単に水道設備を更新・維持・補修が出来るわけではありません。特殊な技能や技術力・判断力で必要となる以上、人材の育成や確保は大きな問題であります。
45歳以上の職員が全体の49%を占め、50歳以上の職員で37%。一方で30歳未満の若年層は2%に届かず、極めて少ない現状があります。水道業務経験年数度は水道ビジョンでは平成30年度までに15.3年とする計画ですが、平成23年度で11.9年と減少傾向にあり職員自体が減少する事態に、どのような人員管理において技術伝承などに取り組まれるのかお考えをお聞かせ下さい。
現状、固定費割合が約69%で人件費などを含む運営管理費の割合は約31%。その中には動力や修繕費などどうしてもかかる費用があるため、変動可能な割合は半分として約15%程度と考えると、人件費削減だけの経営合理化では今後間違いなく無理が出てくるとおもいますが、いかがでしょうか。
また、経年化した設備がどれだけあるのかを示す経年化設備率は、平成23年度で尼崎市が48.3%、西宮市で37.5%、倉敷市で42.1%に対し、姫路市は27.4%と管路が比較的新しい状況にあります。
平成20年〜22年度の前期で40.0%を達成し、平成23年〜26年度で37.0%まで引き下げ、平成27年〜30年度で35.0%になる計画ですが、すでに最終目標値まで達成しております。これは、常に更新をし続けていかなければ、設備経年化率は増加するため不断の努力が必要ですが、市民にとっては大変有難いことであります。
しかし、一方で、年間に更新された管路の延長割合を示す管路更新率は、尼崎市は1.11%、西宮市は0.72%、倉敷市は1.38%に対し、姫路市は0.18%と極めて低い値となっており、水道ビジョンでは、平成20年〜22年度の前期で1.88%を達成し、平成23年〜26年度で1.92%まで引き上げる計画となっていますが、目標まで至らない状況です。
現状の更新率から推測すると、全管路を更新するには550年以上かかる状況にあり、極めて大きな課題であると思います。
また、管路の耐震化率は、姫路市は4.7%に対し、尼崎市は14.8%、西宮市で16.8%、倉敷市で10.6%となり類似団体の中で最も低い状況にある。
水道ビジョンによると、平成20年〜22年度の前期で4.6%を達成し、平成23年〜26年度で7.6%まで引き上げる計画となっていますがこちらも遅れをとっています。
姫路市の水道管は、比較的新しい管路は多いが、管路更新率の推移からみても、耐震化に向けた対応が進んでおらず、山崎断層帯の地震のリスクを抱える本市においての水道の安全性確保の観点からも対応が望まれます。
平成23年3月にまとめられた姫路市水道事業会計経営計画書では、平成22年から水道ビジョン最終の平成30年までの期間中に管路の耐震化・更新事業に対しての投資額は約282億円が計画されています。
水道局としては、管路の更新需要をどの様に予測をしていらっしゃるのでしょうか。現状としては第6期の拡張事業としての金額のみが上げられておりますが、送配水施設整備や浄水施設整備の耐震化や更新は、状況に応じて実施する計画ですが、潜在的な更新需要などを勘案すれば、計画にある282億円では到底間に合わないと思われますが、いかがでしょうか。
さらに、本年度の料金収入が82億円で、その2.5倍近い202億円の企業債を償還しつつ、耐震化や更新需要に如何に対応をされるご予定でしょうか。
また、水道料金についても姫路市は中核市40市中、下から5番目に低い状況にあります。現状として節水意識の向上と節水家電などの技術力の向上で給水量そのものが減少する中、経営が不安定な状況にあります。今後、水道料金の改定についてもどのようにお考えかをお聞かせ下さい。
もし、料金改定を行うとすれば、それ相応の努力を本市としても行う必要性があると思います。まさに経営の合理化・効率化が必要になるはずです。
その際の考え方として、大別すると包括委託に代表される「委託型」、電力・ガス事業に代表される「民営化型」、これらの「中間型」で例えば官と民が共同で運営する方式の3つの選択肢があります。
委託型では、従来通り運営は市が担うため、市民にとっての安心感はありますが、先程申しました様に固定費割合が高く、効率化については導入しても大きなコスト削減への期待は薄いと思われます。また、技術継承は自治体側ではなく受託企業側が担うため、マネジメントも含め市内部での技術継承は難しい状況に陥ります。
また、民営化型では、運営全般に民間ノウハウが活用できるので、効率化に大きな期待は持てますが、災害時のリスク対応能力には限界があり、水道というライフラインを託すには市民にとって不安が残ります。
一方で、中間型は、委託型と民営化型の双方の短所を補った考え方であり、市の公益性の確保と民間の効率性の追求が可能となります。但し、デメリットとして考えられる官と民とのもたれ合いが生じないように、しっかりとしたガバナンスを明確化する必要性があります。
現在、国でも成長戦略にコンセッション型PFIを導入しインフラ整備促進を掲げ、従来型PFIから踏み込み、インフラの運営自体を民間に委ねる新方式も持ち上がっています。
浜松市では、既に水道事業の官民連携導入検討が行われております。イギリスでは1990年代に民営化されたり、フランスではアフェルマージュやコンセッション方式で民間が水道事業を担っていたりします。しかも、フランスの企業は既に日本進出を果たしているなど、民間企業が水道事業を担う素地は既に存在をしていると言えます。
そんな中で、姫路市として今後どの様にして、市民の命を守るライフラインとしての水道事業を守っていくのか、サービスを提供し続けようと考えられているのか、今後の民間活用、官民連携についてご所見をお聞かせ下さい。
医療分野について質問します。
第1には、製鉄記念広畑病院における姫路救命救急センターについてです。2013年3月より国及び県市の協力により、脆弱になった播磨・姫路地域の3次救急の担い手として製鉄記念広畑病院でスタート致しました。
この3月1日〜7月31日までの直近5ヶ月間の救命救急センターの受け入れ患者数は、全体で3,510名と昨年同期と比べると30%増加しており、役割の大きさが伺えます。
内救急車での搬送は、姫路市が1,057名、たつの市121名、太子町81名と中播磨地域だけではなく、西播磨地域においても多くの患者さんが搬送されており、昨年同期に比べ24%以上も受け入れ患者数が増加しており、播磨・姫路地域の命の砦として、大きな体制整備につながっていると言えます。
一方で、救急車搬送以外で来院される方の数も多く、姫路市で1,722名、たつの市140名、太子町73名であり、全体の約60%にも及びます。しかも入院をされたケースは248名であり全体の1割。結果として9割の方が入院を必要としない状態で救命救急センターを利用されている実態があります。
医師不足や看護師不足、また病床にも限度がある中で、限られた医療資源を上手く活用するためには、不要不急の救命救急センター利用という実態を極力抑えていかなければならないと思います。
姫路市として、今後どの様な対応をされるつもりがあるのか、教えてください。また、本年年末には、暦のつなぎが良く、3ヶ日を含め9連休となります。この間、休日夜間急病センターは、医師会のご協力の下、12月31日から1月3日までの昼間の診療を実施して頂くことになっておりますが、12月28日・30日、1月4日の昼間は休みになるなど、患者さんをしっかりとケアするには難しいタイミングになります。そんな中、救命救急センターへ患者さんが集まるとなると、急病患者や救急搬送の受け入れが難しくなる可能性も秘めており、事前の対応が不可欠となります。
年末年始の対応について、ご見解をお聞かせ下さい。
第2に看護師不足について質問致します。
これまで、私も医師不足についての質問を何度もさせていただきました。
そして、徐々にではありますが医師確保に向けて予算の増額がなされ、さらなる改善にむけて検討が積み重ねられておりますが、近年悪化の一途をたどる看護師の状況についても真剣に考える必要があり質問させて頂きます。
ダイヤモンド・オンラインで労働経済ジャーナリスト 小林美希氏の記事によると、
夜勤では、看護師たった2人で40人を看る。寝たきりの患者や外科の重症患者がベッドから起き上がって転倒すれば骨折してしまい、頭を強く打てば死亡事故につながりかねないため、気が抜けない。
転倒予防のため、患者の足もとには「待った君」「転倒虫」などと呼ばれるセンサー付きのマットレスが敷かれ、患者の体重がかかると大きなブザーが鳴る。
夜中はあちこちでブザーが鳴るため、その度に看護師は走って駆けつける。その間に、オムツ交換、点滴のチェックなど患者のケアをしていくため、仮眠はほとんどとれない。救急搬送で入院患者が来れば、1人はその準備や手続きに回り、夜勤は事実上1人ということもある。
休みの日も、安心はできない。病院の隣に寮があり、夜間、救急搬送の受け入れなどで人手が足りなくなれば、いつでも呼び出される。休日にも勉強会や委員会などがあり、休みはほぼ1年中とれない。
同僚の看護師が妊娠しても、出産ギリギリまで夜勤は免除されず。
シフトは「日勤―深夜」や「準夜―日勤」が度々組まれ、悲鳴を上げた。「日勤―深夜」では、始業1時間前の朝7時30分に出勤して患者の情報収集にあたり、残業が夜8~9時まで。
いったん寮に帰るものの、3時間後には深夜勤に入る。頭が朦朧としながら夜勤に入り、「24時間連続勤務」と言っても過言ではない。
とあります。記事の部分部分の抜粋でありますが、姫路の医療現場でも同じような事が、日夜おきているのです。
2006年に医療の安全確保と労務改善によって7対1看護がスタートし、看護師の獲得合戦がより激しくなりました。それに呼応するように全国の看護師新規資格取得者数は、平成21年の約4万6,000人から平成25年で約5万人強となり徐々に数としては増えております。
しかし、養成数は増えても医師分野同様に地域間格差は激しく、今西播磨や姫路で起こっている看護師不足の現状や看護師の勤務を実態を改善するには至っておりません。
そんな中、厚生労働省より平成22年には第7次看護職員需給見通しに関する検討会報告書が出されました。
看護師確保のためには、「養成促進」「定着促進」「再就業支援」について着実に取り組むことが必要であり、そのために必要となる財源についても確保を図っていくことが極めて重要であるとも記されております。この取組み課題に沿って、以下質問致します。
まずは、「養成促進」であります。
看護師は、国家資格である看護師資格を取得するため看護大学・看護短大・看護専門学校に進学して国家試験を受けるわけです。
姫路で就職をされる看護師は、兵庫県立大学看護学部や関西福祉大学看護学部から来られる方々もいらっしゃいますが、概ね医師会・日赤・医療センターの各看護学校や近大姫路大学からの総計100強の方々になります。
姫路での就職実績としては、医師会の運営される姫路市医師会看護専門学校は、平成22年には43名58.1%、23年には56名69.1%、24年には49名65.3%であり、姫路赤十字専門学校では、平成22年から33名89.2%、40名87.0%、34名94.4%、姫路医療センター付属看護学校で、平成22年から21名48.8%、19名44.2%、21名56.8%であるのに対し、近大姫路大学では平成22年には9名10.5%、5名5.4%、6名6.3%です。
それぞれ学校の特色はあるものの、医師会・日赤・医療センターではそれぞれ姫路市における看護師要請に大きな力を発揮頂いておりますが、近大姫路大学における効果は非常に低い結果となっております。
2012年には、これを受け近大姫路大学での看護師就職説明会を開催されたところ、12病院の参加に対し、15名の学生しか集まらなかったとお聞きしております。
姫路市としては看護学部設立に対し、平成18年度に6億5,000万円の助成を行った経緯がある中で、姫路市に対する実質的貢献度が低いというのは、極めて残念であります。
兵庫県内の新卒看護師全体でも6.3%〜6.7%程度しか、この中播磨・西播磨の病院には就職していただけていない現状があるので、現時点では致し方ない部分もあるのかもしれません。
さらには、看護師採用においては、市外や県外からの学生は、どうしても地元に戻ってしまうケースが多いのも実状であり、その上3年程勤務をすると、「そろそろ親元に帰ってきて欲しい」というご家族の希望もあり、辞めて地元に帰られることが大変多いという課題もあります。
姫路市としても、姫路の学生には市内への就職を促進する方策を考えて行かなければならないのと同時に、姫路市在住の学生に対して、看護学校や看護学部への入学促進にも力を入れる必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。
地域の医療・福祉を支えるために、地域で人材を育てていくことが大切だと、姫路聖マリア病院の看護部長である山中氏は言われます。
現在、5月〜夏にかけて高校生向けのふれあい看護体験では、各病院40名程度の受け入れがなされているようです。中には3年間熱心に通ってくれる学生もいらっしゃるようで、将来の看護師候補を育成するのに大きな役割を果たしていると思います。今後も教育委員会とも協力をし、中学生や高校生の段階から看護師という職業について広く意識をしてもらう必要もあると思います。
ただ残念なことに、総合病院などでは本年のトライやる・ウィークでは1名の参加しかなかったようです。もちろん様々な職業体験という性格上、トライやる・ウィークで医療機関に特化することは難しいと思いますが、平素からの医療機関との連携を実施し、医療の世界にも視野を広げてもらう取り組みは出来るのではないでしょうか。
毎年看護の日である5月12日には、各病院で看護師や助産師・保健師が様々な所へ出向く事があるようですが、是非、市内の中学校や高等学校にも協力をして頂き、取り組んで頂きたいと思います。ご所見をお聞かせ下さい。
またこの度、兵庫県看護協会西播支部では本年5月18日にイーグレひめじで病院合同就職説明会を開催されました。32病院が集まり500名もの参加があったとお聞きしております。
県からの補助があったとお聞きしております。姫路市も会場協力をして頂いたとのことですが、これらの採用活動に対しても、是非県同様に支援をして頂き、看護師確保に向けた取り組みのバックアップをして頂きたいと思います。
併せて、ご所見をお聞かせ下さい。
次に「定着促進」であります。
今、新人看護婦の離職率の高さが大きな問題となっています。「患者さんの力になりたい。」という崇高な志を持って、看護学校などに入学をされ、看護師として入職されるケースが多く、一般企業ほどの離職率までには至っておりませんが、新人看護師が仕事を辞められるケースは、一般企業と同様に「自分はもっと出来ると思っていたのに…」というものもあれば、「夜勤で体に変調をきたした」「医療事故を起こさないか心配で眠れない」「忙しすぎてじっくりと看護が出来ない」などという理由が多いと聞きます。
現実、欧米では、夜勤は12hが最大で、日本の医療機関のように16hの勤務をすることはなく、「知的労働」「肉体労働」と併せ「精神労働」の3つを兼ね備えなければならない看護師には、かなりの負担がかかっているのは事実でしょう。
事実、夜勤の勤務明けには注意力が散漫になり交通事故などが多く出てしまっているようです。
また、せっかく指導してきた看護師が辞めてしまうことは、先輩看護師にとっても肉体・精神両面において大きなダメージを受けている現状があります。
しかし、この離職率の高さは兵庫県では特に顕著であり、全国と比べても著しく高い状況にあります。
平成19年には、新人離職率は14.1%と兵庫県は全国ワースト1、平成20年で12.7%全国ワースト5、平成21年13.5%でワースト2、平成22年12.5%でワースト4、平成23年10.1%でワースト7となっており、新人看護師の1年間の離職率が非常に高くなっております。
また、常勤看護師(複数年のキャリアを持つ看護師)も各年13%〜15%離職をしており、11%〜12%の全国平均からみても大きく上回っております。
これは、元々姫路地域では看護師が不足している状況の上で、専属の指導者体制もなく、あまりの激務により新人を育成するための時間が取れないことと、そのことによる新人看護師が引き起こすトラブルに対する対応で、指導者である先輩看護師が自身の業務と相まって疲弊してしまう状況からこのような離職状態が発生したり、子育てや親の介護のために仕事を続ける事が出来なかったりという事で生まれていると考えられます。
こうして、中堅やベテランの看護師が潜在看護師へと変わってしまうのです。
課題が多すぎるため子育てや親の介護の問題は、また別の機会と致しますが、この事態を回避すべく、姫路聖マリア病院では、看護部長の山中氏が中心となって平成19年から厚生労働省のモデル事業として、新人看護師の卒後研修に取り組まれました。新人看護師の定着に向けた取り組みです。また、中堅看護師に向けて患者さんの状況に応じた判断力や予測力を育成するためのシュミレーション研修を導入されたり、リーダー育成のための指導者プログラムの作成もモデル事業として取り組まれておられます。
山中氏は、こう言われます。
超高齢社会になり、患者さんも高齢化をしています。高齢者の方は、どうしても感覚が鈍ってしまっており、症状を訴えられる時には既に重症化してしまっているケースが多いんです。
また、24時間実際に患者さんの側についているのは看護師です。だからこそ、私達看護師は常に先を予測し行動しなければならないんです。
だからこそ、看護師になってからの教育がとても重要になっています。
医師は、現実的には診断をしたり、治療をしたりとスポットでの対応が中心ではあり、それ以外の全ての時間を私たちは看護師によって見守って頂いているのです。
それだけ、看護師に要求される水準は高まっており、看護師への教育支援は必須のものになっております。
現在、兵庫県看護協会西播支部において各病院が看護師の教育に力を入れはじめており、時には市民の方々にも参加して頂ける公開研修にも取り組んでおられます。
また、専門看護師や認定看護師の育成にも力を入れておられます。
姫路市としても、これらの取り組みに対し、是非とも助成を行なって頂き、高度医療の実現に向けてご尽力頂きたいと思います。ご所見をお聞かせ下さい。
実際、聖マリア病院では、年間35名〜40名採用をされているようですが、ここ数年離職率は0との事。離職率を低減するためには、こうした教育プログラムと新人看護師の受け入れ体制の整備を実現することによって意識の高い看護師を要請していくことが、大きな一歩になっていくと思います。
次には、「再就業支援」です。
再就業支援には、2つの視点があります。1つ目は、看護師として結婚や出産により、一度職を離れた方への復職支援と、2つ目は社会人として別の仕事を行っていたが、一念発起して看護師を目指される方への支援ですが、まず市として注力すべきは潜在看護師を顕在看護師として復職して頂ける道を作ることだと思います。現在兵庫県の看護協会主催で、3〜4日間の研修を取り組んで頂いておりますが、現状は神戸でのみの実施であり、各地域の方が気軽に取り組むことは出来ません。姫路市としても西播磨圏域の自治体と協力をして、看護協会と共に復職支援の研修プログラムの実施に取り組むべきだと考えます。プログラム作成は、今まさに看護協会の西播支部でも取り組まれておりますので、実施に向けた助成などの支援についてご所見をお聞かせ下さい。
姫路では、各病院で看護師不足が大きな課題になっております。特に、2次医療や3次医療を担う病院にとっては死活問題であり、看護師が採用できないことで病床数を減らさなければならない状況も生まれております。
そして、この激務が続くことで、将来的にも更なる看護師が不足に陥るとも限りません。年間で100名〜200名の就職が必要になっています。今この時期にこそ、姫路市のしっかりとした取り組みが必要であると思います。
前向きなご所見をお聞かせ下さい。
児童館・児童センターについてお聞きします。
現在姫路市には、宿泊型児童館「星の子館」、9つの児童センター、小型児童館である「夢前ふれあいの館フレンデ」と「坊勢児童館」の運営がなされています。また、未設置校区には既存施設から職員を派遣する移動児童センターが実施されています。
こうして市内広く展開されている児童館、児童センターは、子どもの遊びを通して健全育成を図る地域福祉施設であり、単なる遊びの場を提供してきたわけではなく、子どもの遊びの拠点と居場所となり、相談機能や各種団体との連携機能を通して地域そのものの対応力を底上げする手法により、子育ち・子育てを応援してきたのです。
21世紀に入って社会全体が停滞する中で、地域コミュニティの質的低下が生じていることは姫路市に限ったことではありません。最近では乳幼児の育児を学ぶ子育て支援や、障害のある児童も気軽に参加できる活動、外国人の子供への対応、中高校生の健全育成や自主活動の場の保障、児童虐待への対応等、様々な現代的と言える社会課題に対応することも併せて求められています。
こうした課題は、「家庭の問題」や「学校の問題」等と限定的に捉えるものではなく、社会全体で解決に導いていくべき課題であり、行政的課題と言えるものです。言い換えれば、児童福祉の分野では、単に施設を整備することで行政的課題を解決していた時代から、そうした施設をうまく連携・活用することでの、行政が果たさなければならない役割が高まっていると言えるのではないでしょうか。第1回姫路市子ども・子育て会議でも、「児童センターを拠点として生かしたネットワークづくり、市民活動のシステム化ができないか」という話が出ており、より効果的な活用方法が今後期待されています。
平成24年4月には、9児童センターのうち灘・東光・北の3センターは長年管理委託されてきた社会福祉事業団から民間に公募されました。利用定員を持たない児童センターの有機的な活用こそ様々な分野をつなぎ、地域の対応力を高められる施設であると考えます。今後さらに子育て支援拠点施設として児童センターを有効活用していくのなら、知識・経験とスキルを持った人材が必要であり、これまで委託管理して頂いている社会福祉事業団の役割は、いよいよ大きなものとなるのではないでしょうか。
そこで2点お伺いしたいと思います。
1つ目には社会福祉事業団が管理を指定されてきた姫路市立児童センターは、今後の指定管理者制度の運用上どのように扱われるのかお聞かせ下さい。
2つ目には児童福祉法は、日本国内において子どもの基本的処遇に地域間格差があってはならないという理念に導かれており、地域の特徴は活動内容に反映されるべき質の問題だと考えられます。各児童センターが有機的に連携して市内全域の児童福祉の水準を高めるために、児童センターに段階的に役割を付与し、一部に基幹型児童センターを設置して特色ある事業とサービスの質的な向上を同時に図るべきと考えますがいかがでしょうか。
また、現在保健所やすこやかセンターとは既に連携が取られておりますが、発達状況や家庭環境などで特に援助が必要な子ども達への支援のために「ぱっそ・あ・ぱっそ」との連携や児童虐待を防ぐ観点などからも基幹型児童センターとしてご本人である子ども達だけではなく、保護者の方々や地域の方々、各関係組織とも密接な連携をとる機関としての役割を担ってもらってはいかがでしょうか。誰もがより良い生活を享受することの出来る街にするためにも、是非とも前向きなご所見をお聞かせ下さい。
風水害時の避難行動についてお尋ねします。
姫路地域において多くの被害を出した2011年9月の台風12号・15号水害や2012年6月・7月のゲリラ豪雨や直近の本年9月4日の台風と前線の活動による大雨など、近年は、この姫路市においても私達の想像を超えた自然災害が多く発生をしております。本年度は、主要施策の中の重点施策として地域防災力の強化が謳われており、災害に対する備えが必要となっております。
また、先日の兵庫県及び播磨広域連携協議会との合同での防災訓練の際には、大雨が降っておりましたし、その翌日の始業式の際にも警報となるなど、大雨に対する警戒と準備が必要であります。
その一つとして、先月の新聞記事も掲載をされておりましたが、本市では台風や集中豪雨などによる避難勧告が発令された場合、自宅2階や隣接建物の2階へ移動する「垂直避難」を避難方法として正式に位置づけたと伺いました。
これは、4年前の兵庫県西・北部豪雨の際に、避難所へ向かう方々がその途上で犠牲になった痛ましい出来事を踏まえたものであると理解しております。
また、本市でも一昨年の台風12号襲来時に、10万人に対して避難勧告を発令されましたが、同じ校区内であっても、土地の低いところや高いところ、川に近いところやそうでないところがあります。私も避難勧告のあった地域の方々から、むしろ避難する方が危険だ。家の方がよほど安全に感じた。などというご意見をお聞きしました。
私自身、10万人全てが、避難所に避難すべき方々とは到底思えませんでしたし、実際に避難所へ行かれた方は1/50にあたる2,000数百人と聞いております。
現実、本市にとっても初めての経験であったがゆえの混乱も多かったわけですが、このように、避難勧告を出したものの、その後の避難行動については、事実上住民に委ねていたことを考えますと、今回の「垂直避難」という位置づけは、一歩踏み込んだ大変画期的な方策であると評価すべきことだと思います。
そこで、改めて2点お尋ねします。
まず、ひとつめは「水平避難」すべき地域と「垂直避難」で安全とする地域の線引きについて、具体的なエリア分けと、それをどのような考え方の中で決められたのか、お聞かせ下さい。
次に、住民の側からしますと、避難所へ逃げるだけではなく、垂直避難という方法があるのは理解できても、自分の家はどちらなのかということが最大の関心事だと思います。このことを今後、どのように住民に対して周知させ、個人として判断をしていけばよいのか、その方法及びその時期についてお聞かせ下さい。
最後に、こども110番の家についてお聞きします。
全国的に子ども達を狙った痛ましい事件が増加している中、将来の日本や地域を担う子ども達を安全に守り育てるのは、私達大人の責務であります。
その想いを実現するために、この姫路市においても様々な取り組みがなされております。こども見守り隊及びこども110番の家など、子ども達の安全のためご尽力頂いておることも周知の事実であります。
現在、こども見守り隊は、各地区の連合自治会を中心とした防犯組織であり平成18年度の事業開始より、全72地区全てで取り組んでい頂いており、日常の下校時などもいたるところで立って頂き、子どもを守り育てるという意識作りも順調に進み、大きな成果を上げていただいていると思います。
また、こども110番の家についても、旗を掲げて下さる家も徐々に目立ってくるようになりました。いざという時の駆け込み寺として、身の危険を感じた時に、一時的に保護して警察に通報する場所が、至る所にあるということは、子ども達やその保護者にとっても大きな安心を生み出します。
しかし、今の状況で本当に子どもが一般の民家に駆け込むことは事実上出来るのかという疑問が残ります。
私は、何人かの児童に聞いてみましたが、「わからない」「家まで急いで帰る」と言っています。一方で、よく知った人の家だったら「助けてもらう」との返事がありました。
幸いにして、姫路では身の危険を感じ、駆け込む様な事例は無いようですが、これらについて対策を講じておく必要があるのではないでしょうか。
実は、福山市では対応マニュアルの中で、そのことについて触れています。
子ども達は、「知らない家には駆込みにくい。」という気持ちを持っています。このような気持ちは子どもに限らず、大人も同じです。登下校などでこどもの姿を見かけたら、「おはよう、こんにちは、気をつけて帰るんだよ。」と気軽に声をかけてみましょう。
と書かれております。ただ、これだけでは努力をしましょうということだけですが、学期始めと休み前の下校時、各団体(老人会、防犯、女性会、PTAなど)の方々と一緒に各地域に分かれて、子ども110番の家に一軒一軒、「いつも見守って頂きありがとう。」という手紙を持って、挨拶に回るという取り組みをされています。
また、年度初めの4月に地域別児童会においてこども110番の家の場所を確認したり、こども110番の家ウォークラリーを実施したりするなど、実際に駆け込み寺を認識すると共に、顔見知りになり、「いざというときはお願いします。」というお願いに回るのです。
1度でも会ったことがある人、1度でもお願いをしたことがある家と、全く知らないとの差は、雲泥の差があります。
是非、そのような取り組みをされてはいかがでしょうか。
また、現在姫路市では5,636件のこども110番の家がございます。しかし、これが民家は何件で、店舗が何件なのかの把握までは行ってはいらっしゃいません。
また、愛護育成会の中学校単位での取り組みとなっておりますので、どうしても自治会など地域のつながりも薄くなっている様に思います。
福山市では、小学校単位で一般住宅で3,460件、店舗等で2,426件としっかり場所まで特定をしていらっしゃいます。
しかも、マックスバリュやガソリンスタンド、病院、診療所、歯医者、美容院、理容院、郵便局など団体として各地域に根付いた施設で取り組みが進められております。
また、書店やコンビニ、電器店、喫茶店、宅配業者、薬局など個別の連携もございます。
下関市では、路線バスもこども110番の家の役割を担って頂いております。バスやタクシーなど市内をくまなく走る路線バスに、合図を送ればいざというときに助けてもらえるというのは、大きな安心材料となるのではないでしょうか。
子ども達の行動は、何も校区内とは限りません。塾やスイミングなどの習い事など校区外へも出て活動をします。
こういった企業とも是非とも協力をして頂き、市内どこにいても安心な街をつくるためのご努力をして頂きたいと思います。
さらには、担当される所管において、こども見守り隊は危機管理室が担当し、こども110番の家は教育委員会となっておりますが、それぞれの取組の連携と共に、自治会や生涯クラブ・婦人会など地域の直接的な協力が必要な取り組みのため、一本化を計画する必要もあるのではないでしょうか。併せてご所見をお聞かせ下さい。